Skycourt House

2010

東京屈指の商業エリアである六本木に至近でありながら閑静な住宅街に建つ、RC 造住宅のリノベーションである。要望としては、2 階建てを3 階にすること、屋上の活用、裏庭のプライバシーの確保、光にあふれた家、などがあった。またバブルの時代を反映した装飾的な外観も改装することになった。

リノベーションのプロジェクトは、既存の空間の特性や良さを読み解くことが重要である。躯体は大きく動かない。その躯体や壁をいかに活かすのか、現状の開口部や新たに設けられる穴からはどのような空間が生まれるのか。そうした意味において、クライアントが改装前に1 カ月のあいだ住んだことで、多くの情報を共有することができのは幸いであった。寝室の場所、キッチンやリビングの場所は、現地の光環境を考慮して、何度なく検討や変更のすえプランを決定した。キッチンとリビングの間に設けられた7㎡ほどの中庭は、彼らの第二のリビングである屋上の空間とつながり、光と風を引き込む。リビングと寝室は既存建築において余裕のあった容積を使って増床し、雑壁を取り払って大きな開口部を取り付けることで、都心部ではなかなか得にくい開放的な空間となった。

以前は室外機置き場であった屋上には屋根を取り付け、夜景を楽しめるオフィスとした。また、地下階にはゲストルームと小さなオフィスを新たに設えた。