House in Kamakura

2025

街道から伸びる細い山あいの道を進むと、三角屋根を持つ素朴な佇まいの住宅が姿を現す。週末の滞在と仕事場を兼ねて計画された木造住宅である。

設計の検討は外構計画から始まり、外からの見え方や周辺環境との関係性を重視している。 敷地条件や駐車スペース、周囲の景観を踏まえ、最小限の機能と合理性を定めたうえで、細 部の設えを積み重ねることで全体像を導き出した。

在来工法によるシンプルな構成を基本としながら、現代的な暮らしに対応する柔軟さを持たせている。1階にはワークスペースやアトリエを設け、スタッフとの作業や来客時の利用に応 える。大きなガラスを用いた特注の引き戸を玄関に据えることで、開放的でありながら落ち着いた作業環境を実現している。また、ワークスペースにはマグネット式の壁を設置し、日常 的な創作活動を支える場とした。

2階はリビングダイニングを中心に構成され、南面に大きな開口を設けつつ、軒やデッキテラスによって直射光を遮っている。過度な明るさを避け、落ち着いた光環境をつくることで、 窓外に広がる緑の風景が一層際立つ。随所に設けられた開口は、眺望を引き込みながらも 過ごしやすい室内環境を確保している。

すぐ側にある森の風景と共に、この家での過ごすさまざまな時間がどんなときも豊かなものであることを願っている。