House in Minamiazabu

2025

東京都心の住宅密集地に建つ、夫婦と子ども3人のための地上3階建て・屋上付きの鉄筋コンクリート造の住宅である。それぞれの個室を確保しながら、家族で過ごす時間とゲストを迎える時間を両立できる住まいを望まれ、1・2階を家族のためのフロア、3階をゲストを招ける広いリビングとダイニングキッチンを併設したフロアとして計画した。

敷地は南側が住宅密集地の道路に面し、北側は寺の境内に接している。近隣との距離の近さやプライバシーに配慮し、南側の開口部には植栽と目隠しルーバーを設け、北側では壁面を後退させて障子を用いることで、視線をやわらげながら光と風を建物の内部に取り込んでいる。

3階はリビングとダイニングキッチンが一体となったワンフロア構成で、南北両面の大開口を全面的に開放することで、都市の中にいながらリゾートホテルのラウンジのような開放的な空間を実現している。フロア中央には大きなトップライトを設け、自然光が柔らかく降り注ぐ。北側のダイニングからはテラスに直接出ることができ、植栽越しに寺の緑を借景として楽しむことができる。テラスではバーベキューなどの屋外アクティビティも行えるようにした。さらに、3階テラスの螺旋階段が屋上テラスへとつながり、立体的に緑の風景を楽しむことができる。

1階のエントランスでは、小松石の敷石と洗い出し仕上げによる日本庭園のような設えが来訪者を迎える。2階・3階の南側の窓際には逆梁が通るが、窓の高さを上げて造作ベンチと植栽を施すことで、光と緑を感じながらくつろげる場所を生み出している。都心の住宅特有の密度の中にありながら、自然とつながる開放感をもつこの住まいは、クライアントが望んだ「日常」と「非日常」を往来するような暮らしを実現している。