cosa food hall

2025

Credit

音響計画:whitelight
照明計画:AURORA Inc. / 市川善畿
照明:斉藤照明

東京から新幹線で1時間程の静岡駅近くに建てられた再開発ビルM20。そのBF1~2F商業エリアcosaは、ヒト、モノ、コトが常に交差するランドマークとして計画された。その2Fにcosaの顔である、日本各地から集まった5つの個性的な店舗からなるフードコートとワインジェラートの店舗を設計した。

フードコート側は3面がガラスで囲まれており、自然光が降り注ぐ温室のような空間をイメージしている。植栽を点在させ湿式の床仕上げとすることで、外の空気感を2Fまで引き込むように工夫した。窓際には二人掛けの席を配し開かれたテラスのようなレイアウトするため、5つの店舗は中央のアイランド型キッチンカウンターに集約し、メニューなどサイン計画をすべて統一することで空間のまとまりを持たせている。

ワインジェラートの店舗はフードコートと通路を挟んだ位置にあり、全体を一つの空間として感じられるように同じタイルを使っている。リズミカルに並べたタイルの壁柱は通路を歩く人の止まり木のように共有部の通路との境界を曖昧にし、お店の中と外を緩やかに繋げている。家具のシャープなスチール脚やカッパー色の照明のディテールを加えることで、ジェラートや角打ちワインの持つカジュアルさと華やかさを表現した。

都会的でシャープでありつつ、温かみも感じられるような色合いのモスグリーン色とテラコッタ色のタイルは織部製陶に製作してもらい、植栽、自然光、料理、ワイン、ジェラートを惹き立てている。家具はほぼすべてカリモク家具で製作し統一することで、雑然としがちなフードコートの座席に適度な規律を与えている。

駅という場所柄、一人、カップル、家族、グループと多様なお客様が行き交い、カウンターから円テーブルまでさまざまな楽しみ方ができる席を設けた。共有部の通路から入ると、背の高い植物が至るところに配置され、植栽がゆるやかにゾーンを分けながらそれぞれの居場所を作っている。中央カウンターでのコミュニケーションとそれぞれの心地よい居場所が、静岡のカルチャーを生み出すような、新しいフードホールの形となることを願っている。

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音響計画:whitelight
照明計画:AURORA Inc. / 市川善畿
照明:斉藤照明