CITRON

Restaurant : CITRON(2015)

Design: 芦沢啓治建築設計事務所 芦沢啓治/山口健太郎

Photo: Takumi Ota

citronはオーガニックベジタリアンレストランである。野菜という生の素材を扱うお店を設計する上で、クライアントが望み、我々が考えたことは空間においても素材を丁寧に扱うお店を設計することだ。それを我々はインダストリアルと呼んだが、たとえ既存のコンクリートや黒皮の鉄のようなラフな素材においても丁寧に扱うことを念頭にいれた。
クライアントが見つけた場所は外苑前駅から徒歩一分の大変利便性の高いマンションの1-2階である。もともとレストランを運営するべく設計はなされていない空間において、厨房スペースやサービス導線を確保するのは簡単ではない。プランニングにおいては、コンパクトな空間に極力シンプルに導線計画を収める努力を試みたが既存階段ではまったくおさまらなかった。よって新しく階段を製作することになり、階段は裏導線が確保できるようにデザインをすると同時に必然的にスレンダーな構造を検討することになった。コスト的にも、機能的にもスチールとペイントという階段が、当然のこととしてお店の中でも大変目立つプロダクトになってしまう。よって店舗デザイン全体において階段をひとつのきっかけとしデティールを組み立てた。例えば照明器具や家具のデティール、エントランスまでスチールという素材を反復するように使用した。ショーケースとショーケースのための照明はスチールのアングル材を加工することで出来ているが、棚、エントランスの扉にも同様のデティールを反復している。エントランスから2階にいたるまで材料のみならずデティールのつながりはお店としての一体感をつくる役割となった。
また、イス、タイル、照明器具の一部はクライアントがフランスから買い付けたものだ。そうしたアンティークはレストランにしてはやや素朴で冷たくなりすぎるスケルトン空間に彩りを与えるが、それらの家具と空間をつなぐものが必要だ。今回我々が丁寧に扱いデザインされたインダストリアルな部品たちが役に立っていると思う。

Scenography : CITRON(2015)

Design: Keiji Ashizawa Design Keiji Ashizawa/Kentaro Yamaguchi

Photo: Takumi Ota