Grillno Restaurant

2020

川口の駅近くにあるカウンターメインの合計26席からなる小さなレストランのインテリアプロジェクト。
オーナーとは、いわゆるおさな馴染みであり、彼がレストランの業界に入ってきたときから、彼が作る料理を食べ、そしてお店作りを手伝ってきた。
今回は、薫製とグリルのお店にしたいということで計画がスタートした。

肉を焼くシェフがよく見えるようにオープンキッチンのプランとし、調理場にそって大きなコンクリートのカウンターを計画している。カウンターのエンドを丸くし、円卓のように3−4人のグループが楽しめるように計画した。この計画は小さなお店の中で人の流れをスムーズにする意図もあった。そのカウンターからオフセットさせる形で長い鉄製の照明をつくっているが、これはカウンターを均一に照らし、お店に軽やかさを生み出している。
カウンター以外には、2人席、4人席を適度な距離感を保ちながら配置し、ソファー席を設け小さな店ながら多くの席のバリエーションが作れるようにと計画した。ゲストは1人であっても、カップルであっても、グループでもしかるべき場所が用意されている。

インテリアの素材は限られたラフな素材によって構成されているが、職人の仕事によって見事に空間の要素として静かに主張している。すこしばかりの緊張感と、ちょっとだけラフさもある素直な空間は彼の考える料理やもてなしとの相性を考えると丁度いい。
さて、オープンは2020年の9月である。丁度コロナが猛威を奮っているタイミングでオープンをさせることは決して生易しい決断ではなかったと思う。オープン間もなく顧客は少しずつ増えていると聞く。長く営業を続けることでファンは増えていくことだと思う。そしてこのインテリアもゲストにとって心地良い居場所に寄与できれば幸いである。