TOHOKU STANDARD

2016

「東北スタンダード」という東北の物産店を設計するにあたり、同じ東北のブランドである石巻工房を使ってほしいという要望があった。そこで石巻工房の家具によってインテリアを構築し、それらの家具も販売できるというストーリーを組み上げて提案し快諾された。そこで我々は実物の家具に向き合い可能性を探っていったすえ、壁面に小ぶりなスツールである「CARRY STOOL」600台を組み合わせながら積み上げ、壁面のディスプレイを構成。また「AA STOOL」と「MA series」といった石巻工房のなかでもシンプルな家具を使い、商品を置く平台とした。

石巻工房の家具デザインにおける大事なコンセプトの一つは、既存のシンプルな材料を組み合わせて機能的な家具をつくるというものだ。このショップは、そのコンセプトから生まれたシンプルな家具を組み合わせて空間をつくる試みともいえる。結果、石巻工房の家具が持つデザインの質がそのまま空間に写し出され、材料の力強さと潔さが反映。個々の物産品の力に負けない、それでいてそれぞれの物が引き立つショップ空間ができあがった。