2COURTS HOUSE

2006

2COURTS HOUSEは、都心によくある狭小地である、雑然として近隣環境に立っている。しかしながら将来的には建て替えがすすむであろうことを考慮して同様なボリュームの建築が立ち並ぶことを想定している。

また十分なスペースを取るべく4 階建として雑然とした周囲に対し閉ざしながらも、開放的で明るい空間をつくることを考えた。各階に十分な光を届けるためにに中庭を3 階と4 階に階段状に配した。3 階の中庭は寝室に面しており大きな開口は引き戸で寝室と廊下と一体となり開放的な空間をつくることができる。4 階の中庭はバスルームの前に配置され都心でありながら露天風呂のような開放的な空間となっている。

この2 つの中庭を通して 吹き抜け空間であるリビングに光を届け、空がみえる豊かな空間としている。各階に十分な光は差し込むが、それでも上階にあがるにつれ、明るい空間となっていく。各階で機能は分割されてしまうものの、そうした光の質の違いが上階へと導く役割を果たしているといえる。

ファサードは限られた開口部を設けており、一見閉鎖的な建築にみえる。それでも大きく縦長に配置された窓からこの家の構成が特殊であることは見て取れるだろう。しかし空間に入ったときに感じる空間の開放感までは予測はできない。非常に厳しいといわざる得ない近隣環境との格闘の結果が、シンプルな構成に落ち着いたことはこの建築が試行錯誤の上答えを導き出せたということだろうと自負している。