TRUNK(HOTEL) YOYOGI PARK

2023

「柔らかなインテリアの意匠とコンクリートとのコントラストからは、独特な雰囲気が作り出されている。洗い出したコンクリートの外観は、公園の木々や据え付けられた緑と見事に呼応し、あたかも昔からあったかような佇まいが生まれている。」

Credit

Interior Stylist: 中田由美

Interior: 平山健太 / 丸山良太
FFE: 山口健太郎 / 清田理
Furniture: 清田理
Lighting/Signage: 西岡悠翔 / 丸山良太

TRUNK(HOTEL) YOYOGI PARKは、東京・富ヶ谷という緑豊かな代々木公園を臨む立地に5室のスイートを含む25のゲストルーム、ルーフトップ&ラウンジ、1階にはレストランを有する地上7階のブティックホテルである。本プロジェクトの建築および全てのスペースにおけるインテリアデザイン、FFEの選定、スタイリングの一部が我々に委ねられた業務であった。

このプロジェクトのスタートは2019年の夏。賑やかな渋谷の中心から徒歩圏内にあり、スタイリッシュで落ち着いた雰囲気の富ヶ谷の住宅街が敷地である。東京を代表する代々木公園の目の前という立地にTRUNKのDNAを受け継ぎながらも、唯一無二の空間を一緒に考えてほしい、というリクエストを受けた。国内外のプロフェッショナルなクリエイターをターゲット層として、街に住んでいる人たちにもその空間を楽しんでいただけるようなネイバーフッドホテル作りが始まった。

ホテルのコンセプトである「Urban Recharge」。それを実現するために、代々木公園を臨み、美しくフレーミングするインフィニティプール、オイスターを提供するプールバー、街に開かれたイタリアンレストラン、そしてコンパクトながらもくつろげる部屋を丁寧にデザインを重ねてきた。また、建築ファサードにおいても客室においても大きな特徴でもあるバルコニーに、ホテル全体の印象を作り上げている特徴的な手摺によって公園、そして街と部屋を視覚的につなげている。

外壁にも内装でも使われているコンクリートは、建築の構造でもある。外観から見える壁のリズムは構造のモジュールであり、外観として端正な落ち着きを作りだすと同時に、廊下や室内にも顔を出すことで、室内外の一体感を作り出している。また柔らかなインテリアの意匠とコンクリートとのコントラストからは、独特な雰囲気が作り出されている。洗い出したコンクリートの外観は、公園の木々や据え付けられた緑と見事に呼応し、あたかも昔からあったかような佇まいが生まれている。

インテリアデザイン、そして付随するプロダクトデザインにおいては、Norm Architectsと協働し、それぞれの空間にあった家具をゼロから検討した。例えば、ゲストルームに置かれた小ぶりなラウンジチェア、バルコニーにおけるアウトドアのラウンジチェア、プールバーでは撥水機能を施したソファやラウンジチェアなど、機能性とリラックスが共存する家具を、日本の家具メーカーであるKarimokuやAriakeと協働し新しくデザインしている。また、空間に合わせたカーペットを大阪にあるHotta Carpetで新たに作ったり、銅版作家三木瑛子氏と協働した特徴的なウォールランプや、京都の小嶋商店と作った小ぶりなペンダントライトはエントランスと部屋に日本的でありながらコンテンポラリーなエッセンスを加えている。家具だけでなくインテリアを構成する取手などの部品などすべての要素をデザインをすることで、空間全体にハーモニーを生み出すことを目指した。

唯一無二のホテルというスローガンがあったとはいえ、実際にそれを作り上げることは簡単なことではない。弊社から建築家、インテリアデザイナー、家具デザイナー、総勢6人のスタッフが関わり、TRUNKのアトリエチームとの緊密な連携や、Norm Architectsとの協働、構造事務所、照明デザイナー、ガーデナー、スタイリストなど様々なプロフェッショナルとのコラボレーションによって2023年9月開業となった。我々としても、海外の友人やクライアントに東京においてお勧めできるホテルができたことを心から嬉しく思っている。そして実際に唯一無二であったかどうかは、感想を聞かせていただければと思っている。

Credit

Interior Stylist: 中田由美

Interior: 平山健太 / 丸山良太
FFE: 山口健太郎 / 清田理
Furniture: 清田理
Lighting/Signage: 西岡悠翔 / 丸山良太