Blue Bottle Coffee Kobe Hankyu Cafe

2022

阪急三宮駅や商店街から、至近距離にある神戸阪急の1階にオープンするブルーボトルコーヒー神戸阪急カフェは、元々は主に搬入経路として使われるいわゆる裏通りに面している。ブルーボトルコーヒーによって通りのイメージを変え、ビル全体のホスピタリティーを向上したいとのリクエストを受け、通りからの見え方と共に、1階のスペースをシェアするアパレルブランドとの親和性も考え、デザインを計画することとした。

現場では、百貨店らしい大きく5つ連なったショーウインドーが私たちを迎えてくれた。
それらの窓をショーウインドーとしてではなく、内外のデザインをつなぐことで街に開かれたお店にできないかと考え、既存のショーウインドーを活用し、通りに面したテイクアウトカウンターを作ることを提案した。またショーウインドーを通して外から見えるインテリアやキッチンに配慮しながら店舗デザインを考え始め、内外を繋ぐ仕掛けとして、ショーウィンドーのフレームをインスピレーションとし、インテリアにもフレームを連続させるデザインを展開することで、視覚的に印象が残るような設計に努めた。

既存の荒々しいコンクリートの床を使うことがテナントのルールであったが、丸テーブルとソファーの下のコンクリートだけ磨くことにより床の印象を変えている。そして、隣接する2つのアパレルブランド、コンクリートのスケルトンの状況に呼応するように家具のフィニッシングを選択した。テキスタイルや革のテクスチャーやカラーはもちろんのこと、一部の木製フレームは明るい黄色に着色することで質感が伝わり木目が少し透けて見える塗装にし、全体のトーンや印象を整えている。

今回はブルーボトルコーヒー店舗のデザインとしては初の試みとなる、一部家具のフレーム、天板の木材に神戸の県産材を使用しており、これら県産材は乾燥からプロダクト製作までを既製品家具と併せてカリモク家具に協働していただいた。椅子、大きなテーブルは既製のカリモクケーススタディの商品を、ソファーには石巻工房 by Karimokuを配置。ペンダント照明や特注の家具なども含め、全て弊社のデザインである。